2011年2月10日木曜日

[E3 2010]Electronic Entertainment Expo 2010,4Gamer

 6月15日?17日,世界最大級のゲームイベント「Electronic Entertainment Expo 2010」(以下,E3 2010)がロサンゼルスコンベンションセンターで開催された。E3の出展情報は,すでに掲載した記事で確認してもらうとして,ここでは取材に携わった4Gamerスタッフによる感想をお届けする。
 E3の取材どころかアメリカ本土に初めて降り立った者,数年振りにE3取材に参加した者,実家よりもロサンゼルスコンベンションセンターへ行く頻度のほうが高い者など,それぞれに異なる立場のスタッフが注目したタイトル/トピックを,E3関連記事の総まとめとしてお贈りしよう。ちなみに,もっとも多くの記事を書いたライターである奥谷海人氏による総括は,別途掲載してあるので,そちらも合わせて読んでいただければと思う。

「E3 2010」記事一覧




TAITAI


ニンテンドー3DSはゲーム業界の未来を切り開くのか

 詰めかけた報道陣の多くがそうであったと思うが,「今年のE3で一番の話題は?」といえば,やはり「ニンテンドー3DS」に尽きるだろう。
 カンファレンスで岩田社長のプレゼンテーションを聞いただけではいまいちピンと来なかったが,カンファレンスの終わり際に用意されていた体験会で実機に触れるや否や,筆者はニンテンドー3DSの虜になってしまった。
 専用眼鏡などの特殊なデバイスに頼ることなく,これまでの携帯ゲーム機と同じ感覚でモニタをのぞき込むだけで,マリオやリンクといった任天堂の人気キャラクター達が浮かび上がって見えたときの感激たるや……!

 ちなみに映画館で初めて「アバター」を見たときはとくに大きな感動はなかったが,「ニンテンドー3DS」に触れたときには妙に感激してしまったのだから不思議である。この差は,単に筆者がゲーム好きだからというだけの話にとどまるものではなく,裸眼のまま立体的に見えて,それを動かせるといった,複合的な要因のなせる技かもしれない。

 3D立体視というと,現時点では,ゲームよりも映画やテレビといった業界を中心に騒がれているという印象があるが,3DSはそのどれよりも3D立体視映像というものの魅力を「容易に」伝えられるという意味で,大変任天堂らしい,素晴らしい製品に仕上がっていると思う。
 高い投資を必要とすることなく,あくまでも“一般大衆向けの製品”として3D立体視を身近に体験させる環境を提示してきたわけで,この意義は決して小さくない。


 また3DSの仕様のもう一つの大きなトピックとしては,通信機能の強化も見逃せないだろう。というのも,3DSでは,スリープ状態のままでも自動的に通信を行い,3DS同士でのデータ通信や,インターネットを介してデータ受信を行うといった機能が搭載されるのだ。
 ニンテンドーDS/DSi/DSiLLでは,その都度ネットに接続し,ゲームを切り替える度に接続が切れてしまっていたわけだが,これがニンテンドー3DSでは,ずっと繋がりっぱなしの状態になるのだという。
 だから何だ,と言えば,例えばソフト起動が前提だった「すれ違い通信」なども,ハードウェアレベルで行えるようになるはずで,ジミながらこれは大きい改良点だろう。すれ違い通信が,ソフトウェアの起動なし(ゲームソフトがスロットになくても通信できる?)に行える可能性があるわけだ。


 通信機能の強化は,ビジネス的な可能性や選択肢も大きく押し広げることになるだろう。
 例えば,近年大きな問題となっているいわゆる“マジコンへの対策”として細やかなアップデートや海賊ソフトの実態調査が行いやすくなる。
 定期的にサーバー認証をしないとゲームが起動しなくなるなどという対策も,任天堂がそこまでするかどうかは別にして,技術的には可能になるはずだ。

 もう一つ,常時接続を前提とすることで,ダウンロード販売などの市場が大きく花開く可能性がある点も見逃せない。この点に関しては,後の質疑応答で岩田社長自身が

今までのダウンロード販売が,どちらかというとお客さまから見て「プル型のダウンロード販売」だったとすると,ニンテンドー3DSでは「プッシュ型のダウンロード販売」,すなわち,お客さまに何らかの提案が届くことによって,それによってお客さまのアテンションが生まれて,結果,我々の新しい提案,あるいはいろいろなソフトの開発者が作った新しい提案が,お客さまに届きやすくなるようにするというのが,私たちが考えていることです。


 と言及していた。今まではあくまでもユーザーが能動的にゲームを探し,能動的にダウンロードをして,はじめてゲームを遊んでいたわけだが,これを「マリオを遊ぼうと3DSを起動したら,新作の体験版が届いていた」という状況に置き換えることができるわけだ。

 3DSに不安要素がないというわけではない。冒頭では「実機に触れて虜になった」と書いたが,裏を返せば,3DSの魅力は実機に触れないと伝わらないということだ。つまり,TVCMや雑誌など,我々メディアを通しての情報だけでは,その価値がお客さんに伝わりづらいのだ。

 E3のカンファレンスで行われたような,実際に触れる機会/場をどう作っていくのか。従来とは少し異なるアプローチからのプロモーション展開が求められるのは間違いなく,任天堂がどういった取り組みを展開してくのかは見物である。

 ともあれ,ジャイロセンサーやアナログパッドといった,3D立体視映像と組み合わせが良さそうなインタフェースも導入するなど,単に映像を見せるだけの機器ではなく,ゲーム機として“3Dをどう生かすか”という視点も強く感じられる3DS。このゲーム機で一体どんな新しい体験ができるのか,いやがうえにも期待が高まるというもの。とくに任天堂のことだ。ローンチタイトルで,いきなり「これぞ決定版!」とも言えるお手本的な作品を用意してくる可能性は
引用元:大航海時代 情報局

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